- 「仕事で英語が必要になった!」
- 「英語苦手だけど、仕事で英語を使う機会がある」
- 「急遽、海外出張に行くことになった!」
このような状況でお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事ではこのようなビジネスパーソンに向けたオススメの書籍を紹介します。
ずばり、スティーブ・ソレイシィ著の「英会話 ペラペラビジネス100」という本です。
タイトルだけ見ると、いかにも最近の過大広告系の本に見えますが、中身は至って真面目です。
この1冊で、仕事で英語を使う上で”最低限”の知識を身に付けることができます。
知識だけではありません。
この書籍の素晴らしい所は、日本人が陥りがちなガチガチな文法思考から抜け出し、実践的な英語の使い方を教えてくれる点です。
この本を読んでも決して「ペラペラ」になる訳ではありません。
しかし、あなたが必要な”今”を乗り越えるための答えがこの書籍には詰まっているはずです。
Contents
「ペラペラビジネス英会話」の狙い
まず本書の主旨を理解してもらうために、著者の「はじめに」からいくつかのコメントを紹介したいと思います。
世界の人を相手にしたビジネス・コミュニケーションでは、ビジネスの規模にかかわらず、小難しい言葉、長い文章は不要です。
著者が本書で繰り返し強調している点ですが、とても大事です。
誤解を恐れずに言えば、表現は簡単であればあるほど、伝わります。
また文章は簡潔であればあるほど、伝わります。
少なくとも第二代国語として英語を話す我々にとっては、これは間違えのない真実だと思います。
世界の人々とのコミュニケーションでは、ごく基本的な表現を使いこなして流暢に話すことが最も重要です。
「基本的な表現(=汎用性のある表現)」を覚えれば、あとは単語を置き換えていくだけで多様な表現が可能になります。
複雑な表現は必ずしも必要ではありません。
最小限の努力で、最大限の結果を狙いにいきましょう。
「ペラペラビジネス英会話」の特徴と使い方
本書では上記主旨に沿ったフレーズが100個紹介されています。
左のページにフレーズを使ったショートストーリ(Short Rarry)、右のページにそのフレーズの使い方の解説(Point)と応用表現(Expand)が載っています。
Short Rarry(ショートストーリ)
ショートストーリは初心者でも読み進められるに簡単な表現で構成されており、かつキーワードが複数回出て来るように工夫されています。
ショートストーリを繰り返しリスニング・音読することで、キーワードを文脈と合わせて覚えることができます。
Point(ワンポイントアドバイス)
各キーワードの活用法のポイントが記載されています。
ネイティブ(スティーブ・ソレイシィ氏)視点で、日本人がやりがちな過ちや実践におけるアドバイスが丁寧に説明されており、非常にためになります。
Expand(応用表現)
キーワードから派生した応用表現が紹介されています。
あくまでも本項目は応用編ですので、もし余裕がなければ、一回目の通読では飛ばしてしまってもOKです。
「ペラペラビジネス英会話」のフレーズ紹介
ここでは、私の印象に残ったフレーズをいくつか紹介したいと思います。
「I’m sorry about that」/「申し訳ありません」
仕事をしていると、どうしても謝罪をしなければならない場面が出てきます。
そんな時に「I’m sorry」だけではどうしても軽い印象を与えてしまいます。
また、本書にもあるような「I’m sorry, I’m sorry,」の連発も避けたいものです。
日本語の「申し訳ありません」に該当するのが、「I’m sorry about that」です。
このフレーズに関連した経験談
私はまだまだ英語が苦手だった頃に、欧州への出張で新規顧客に対して英語でプレゼンを行う、という機会がありました。
プレゼン自体は事前の準備で何とか乗り切ったのですが、質疑応答でその場で答えられない質問があり、その都度本フレーズ「I’m sorry about that」で謝罪の意を伝えたのです。
はっきり言って、当時の私の英語はひどかったと思います。発音しかり、文法しかり。
それでも会議のサポートを頂いた通訳の方に、「〇〇さん(私の名前)の誠実な対応で、お客さんは良い印象を持ったみたいですね」とコメント頂き、当時非常に嬉しかったのを覚えています。
Right?/「ということですよね?しますよね?」
相手に軽く確認を求める際に、非常に便利なフレーズです。
文末に「right?」を足すだけで、肯定文を疑問文にしてくれます。
以下、本書からの引用です。
We don’t have to pay now, right? / 今、お支払いをしなくてもよろしいですよね?
We’re meeting in the lobby at 10 tomorrow, right? / 待ち合わせは、明日の10時、ロビーで、ということですよね?
これ、本当に便利なのです。
例えば、同じような機能を果たす文法として付加疑問文があります。
「You like the song, don’t you?」/「この歌、好きなんだよね?」
という風に使い方は似ているのですが、主語や肯定/否定文、時制や助動詞の有/無等によって語尾を変化させる必要があるため、すごく面倒くさいのです。
その点、このフレーズは何も考えずに語尾に「rihgt?」を付けるだけなので、お手軽に疑問文を作れます。
わざわざ文法的なリスクを背負って付加疑問文を使うよりも、rightを使う方がずっと実践的ですよ。
仕事では、細かいニュアンスよりも、必要なことがぱっと出て来る方が遥かに大事です。
主語 + said /~に…するように言われたのですが
こちらも頭を使わずに使える便利なフレーズです。
人からの伝言を伝えるときに、例えばtellを使うと時制の一致を含め、文法的な細かい内容に目を配る必要があります。そこで便利なのが「said」です。
以下、本書からの引用です。
Shawn said, “Finish this by Friday” / ショーンさんに、これを金曜日までに仕上げるように言われました。
My boss said, “We can’t do that” / 上司に、それはできませんと言われました。
主語 + saidの後に、(時制含め言った)誰かが言った内容をそのまま述べればOKです。
仕事において「誰々に何々を言われた」というケースは頻出しますよね。
間接語法*のリスク
私は本書を読む前は、「I was told ~」と言うような表現を使い、よく自爆していました。
間接話法*に慣れていないと文章の組み立てが大変なのです。
主語を間違えるという重大なリスクもはらんでいます。
プライベートであれば、後で間違いに気づいて「なんだぁ、そうだったのか~」で済みますが、ビジネスでは致命傷になりかねません。
難しい表現はなるべく避けて、潜在的なリスクの根は取っておきましょう。
*間接話法:””を使って言った言葉をそのまま引用するのが直接話法に対して、誰かに伝達する伝え方を間接話法と言います。「said」使った上記2例文は直接話法ですが、例えば例文1文目を間接話法で示すと、「Shawn told me that I should finish this by Friday」のようになります。
I’ll/「しておきます」
仕事で、「~しておきます」みたいなシチュエーションって良くありますね。そんな時に便利なので、「I’ll」の表現です。
「チェックしておきます / I’ll check it」
「後ほどお知らせします / I’ll let you know later」
「I’ll = I will」なのですが、「willは未来形だから…」みたいに考えていたら、実際の会話では反応が遅れてしまいます。
「しておきます」=「I’ll(もしくはWe’ll)」と覚えてしまい、何も考えずに出せるようなると会話がスムーズになります。
「Will」と「Be going to」
少しだけ本書の内容から逸れますが、未来のことを言う場合に、大きく「will」と「be going to」の2つがあります。
当然この二つはニュアンスが異なり、文法書で調べれば詳しい説明が載っています。
ですが、細かいことは気にするよりは、「未来のことは未来形で伝える」という事の方が遥かに大事です。
「時制を正しく表現すること」はすごく基本的な気がするかもしれませんが、英語に慣れていない人は普通に間違えます。
必死にしゃべっていると自分が間違えていることすら気付かないこともあります。
自信がないうちは、たとえば未来形は「will」で統一する、と決めておく方のも一つの方法です。
話すときに、「考える要素をなるべく減らす」というのが、実際の仕事の場では大事になりますよ。
「ペラペラビジネス英会話」の効果
英語が苦手(TOEIC500~600程度)だった私は、英語の会議で何もできずに、いつも同僚の手を煩わさせていました。
会議で発言をしても相手に通じず、結局通訳してもらう、というのが常でした。
状況を打開しようとして本屋で手に取ったのが本書です。
100個というフレーズはビジネスの実践では全然足りません。
基本的な英語力の底上げがいずれにせよ必要です。
すべてのページで「日本語」→「英語」の翻訳ができるくらい、当時はやり込みました。
この本で覚えたフレーズは今でも使っています。
非常に実践的な本だと思います。
「ペラペラビジネス英会話」のレビューまとめ
いかがだったでしょうか。
より込み入ったビジネスの話をするには、英語能力の向上は欠かせません。
また場合によって専門用語の学習も必要になるでしょう。
冒頭でも述べました通り、本書を読み込んだからと言って、「ペラペラ」になることなんてことはありません。
その後、「やっぱ、もっと英語を学ぶ必要があるなぁ」と思えば、そこから腰を据えて英語学習に取り組めば良いのです。
何と言っても、英語はビジネスパーソンにとってメリットの大きいツールですからね(「サラリーマンが英語学習によって得られる5つのメリット【コスパ最高】)。
以上、本記事が少しでも英語で困るビジネスパーソンに助けになれば、筆者としては幸甚です。
お付き合い頂きありがとうございました。