「進撃の巨人」面白いですよね。
漫画はついに最終話まで行きました。
謎や伏線をちりばめながら、壮大に進むストーリは圧巻です。
さて、「進撃の巨人」を読み込んだ皆さんにオススメなのが、英語版「進撃の巨人」を使った英語の学習です。
漫画なら楽しみながら学習ができますし、「あのセリフは英語ではこう表現するのか?!」という感動も味わえます。
名セリフについても取り上げていますので、「進撃の巨人で英語の学習したい!」という方は是非最後までご覧下さいね。
Contents
「進撃の巨人」の英語版のタイトルは?
さて、本題に入る前にタイトルについて少しだけ触れさせてください。
英語版タイトルは「Attack on Titan」
意味を理解するために、まずは用語を解説しますね。
・titan;巨人
なので、「Attack on Titan」で「巨人への攻撃」となります。
「Attack on Titan」の違和感
日本語のタイトル「進撃の巨人」は、普通に考えると巨人が進撃(攻撃)しているイメージになると思います。
一方、英語版では、「巨人への攻撃」なので、巨人は攻撃されています。
タイトルが変わることはよくあるが・・・
日本と外国(西洋)では、文化も異なるため、海外の人にとって理解しやすい表現になることはよくあります。
一般に内容をダイレクトに表す表現にタイトルが変更されることが多いみたいですね。
ひとつ例を上げますと、
– demon:鬼
– slayer:退治する人
こちらも英語版タイトルを直訳すると、「鬼を退治する人」になり、”刀”の要素が省略されています。
物語的にも鬼を退治する人たちに注目しているため、こちらの方がしっくりくるだろう、ということですね。
「Attack on Titan」のタイトルの意味
さて戻ってこちら本題の「進撃の巨人」。
本漫画の内容を考えるに、
「巨人に対してどう進撃するか?」
にメインがおかれているように思いますので、
Attack on Titan:巨人への攻撃
の方が、「分かりやすいよね~」ということになったんだと思います。
一方、日本語のタイトルは逆に意味深にも取れますが、巨人化したエレンが進撃している、というイメージかもしれません。
進撃の巨人にはバイリンガル版がある
バイリンガル版とは?
さてここまで”英語版”「進撃の巨人」と表記してきましたが、私が読んだのは「バイリンガル版」と呼ばれるものです。
英語版とバイリンガル版の違いは?と言いますと、
バイリンガル版:英語と日本語が併記
なので、バイリンガル版はネイティブ向けというよりも、我々のような語学学習者向けの本と言えそうです。
バイリンガル版の良い点
日本語訳がすぐに確認できる
何と言っても、日本語訳がすぐに確認できるメリットは大きいです。
読み込んだ漫画でも、細部は覚えていないことはよくあります。
そんなときに、枠外に記載された日本語訳(オリジナル)を参照できるのはやはり便利です。
進撃の巨人 バイリンガル版 1巻第1話より引用
文字が小文字
バイリンガル版は基本、文字が小文字です。
これが非常に重要なポイントなのです!
何かといいますと、ネイティブ向けの英語版の漫画は文字がすべて大文字なのです。
大文字は、慣れないと読みづらい事この上ありません。
私も大文字にはなるべく慣れるよう頑張っているのですが、小文字で記載してくれるのであれば、それに越したことはありません。
・バイリンガル版の悪い点
英語が日本人向け?
一部ネット上で、
「生の英語に触れるには、ネイティブ向けの英語版でないとダメだ」
という批判を見ましたが、どうなんでしょうか…
英語化するのに、わざわざ「わかりやすく」ということを考慮するとも思えないですし、私が見る限りにおいて違和感は全く感じません。
良くも悪くもスラングも出てきますし、難しい単語にも遭遇します。
バイリンガル版と英語版を見比べた訳ではないので、詳細は断言できませんが…
あまり気にしなくても良いかなぁと個人的には思います。
枠外の日本語が気になる
これはもしかしたら、あるかもしれません。
私は気になりませんが、やはり意味が分かる日本語の方が目に付きやすいものです。
本記事でも、いくつかコマを引用しているので、バイリンガル版で学習予定の方は、自身で確認してみてくださいね。
【英語版】進撃の巨人で英語の勉強をしよう!
・「進撃の巨人」の良い点1:かっこいいセリフ
さて、「進撃の巨人」では個性豊かなキャラクターが様々な名セリフを言い放ちます。
ここでは1巻から3巻までで、「かっこいい!」と思ったフレーズをピックアップしました。
セリフ1(エレン):駆逐してやる‼この世から一匹残らず‼
母親を巨人に食べられて、エレンが激しい怒りと共に言い放つセリフです。
「駆逐してやる‼この世から…一匹…残らず」
英語ではどのような表現になるのでしょうか。
正解は…
進撃の巨人 バイリンガル版 1巻第2話より引用
I’m gonna destroy them‼Every last one… of those animals…that’s on this Earth!!
まずは用語解説からしますね。
destroy :駆逐する、破壊する
every last one:一人残らず全員
animal:動物
Earth:地球
「be gonna」は強い意志を表します。
巨人をここでは、「animals」と表現していますね。
「that’s」 = 「that is」の「that」はevery last oneを先行詞とする関係代名詞です。
言われてみれば、結構素直な表現ですが、やはり自分ではなかなか出てきません。
「駆逐する」は「destroy」でいいんですね。
セリフ2(ミカサ):死んでしまったらもうあなたのことを思い出すことさえできない
アルミンからエレンの死を聞かされ、冷静を失い窮地に陥るミカサ。
生きることをあきらめようとしたその刹那(せつな)、エレンのことを思い出し留まります。
エレンへの想いが詰まったこのセリフ、英語ではどのように表現するのでしょうか。
正解は…
進撃の巨人 バイリンガル版 2巻第7話より引用
If I die now, I won’t even be able to remember you.
用語を解説しますね。
won’t = will not:~しない
be able to:~できる
remember:を思い出す
こちらも比較的わかりやすい表現ですね。
「さえ」は「even」で表現するんですね。
セリフ3(アルミン):人類の栄光を願い‼これから死に行くせめてもの間に‼彼の戦術価値を説きます!
3つ目はアルミンの超絶カッコいいセリフから。
エレンの巨人化が明るみになり、公開処刑されそうになるエレン。
その前に立ちはだかり、エレンの戦術的な価値を説こうとするアルミンのセリフです。
長いですが、英語では以下のように表現されています。
進撃の巨人 バイリンガル版 3巻第11話より引用
For the glory of the human race, I beg you! In the moments I have left before I die! Let me explain his strategic value!
めっちゃカッコいいですね…
用語の解説です。
Human rage:人類
beg:頼む、懇願する
moment:瞬間
left:leaveの過去分詞形、残された
die:死ぬ
explain:説明する
strategic value:戦術価値
「I beg you」で「お願いです」と言った意味になります。
「the moment」以下ですが、
the moment left before…:の前に残された瞬間
という風に「I have」と「left」がそれぞれ「the moment」を後ろから修飾しています
(ややこしいので、分かりづらい方はスルーでOKです)
strategicは難しい単語ですが、ビジネスでも出てくる単語なので、社会人は覚えちゃいましょう。
このアルミンの場面、しびれます…
「進撃の巨人」の良い点2:文法が学習できる
「進撃の巨人」では一つ一つの文章が比較的長めです。
そのため、色々な文法事項の勉強(復習)になります。
良くある戦闘・格闘ものの漫画だと
「いや、まだだ!」
「それなら、これでどうだ!」
みないな短文で構成される傾向があります。
これはこれでリズムがあって楽しいのですが、文法的な要素はほとんど出てこないことが多々あります。
一方、「進撃の巨人」は説明的なセリフも結構あり、割かし骨のある英文も含まれます。
そのため難易度が上がるのですが(後述)、文法の勉強にはもってこいです。
以下、過去の事実に反することを表す「仮定法過去完了」が出てくる一コマを紹介します。
進撃の巨人 バイリンガル版 1巻第2話より引用
(もう少しで母を助けられたのに…)→実際には助けられなかった
If you hadn’t been there…!
(あなたがそこにいなければ…)→実際にはそこにいた
・「進撃の巨人」の良い点3:戦いに関連する表現が覚えられる
主人公三人(エレン・ミカサ・アルミン)が、調査兵団と言う兵隊の組織に属しています。
三人の活動が、巨人の征伐であったり、領土の奪還ということを目的としていることから、これらに関連する表現が多く出てきます。
また戦いに際しては、立体起動装置と呼ばれる対巨人用の装備を始め、色々な戦術や装備が出てきます。
慣れないとなかなか読みづらいですが、逆に言うと戦いモノの表現に慣れるのに良い訓練になります。
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【英語版】進撃の巨人の注意点
「進撃の巨人」の注意点1:全体的に難しめ
良い点2(文法が学習できる)・良い点3(戦いに関連する表現が覚えられる)とも関係しますが、英文の難易度は高めです。
あまり目にしない表現も出てきますし、読み返さないと意味が取れない英文もありました。
だからこそ、良い訓練になるのですが、気軽に「漫画で勉強しよう♪」くらいのテンションで始めると挫折する可能性大です。
私は、「呪術廻戦」で同じように漫画学習をしたのですが、小文字で読みやすい点を除けば「進撃の巨人」の方が難しいかもしれません…
1巻は比較的読みやすいと思うので、まずは1巻で試してみるのが良いかもしれませんね。
「進撃の巨人」の注意点2:コラムは一旦読み飛ばす
例えば下記、立体起動装置の技術的な説明をしているコラムです。
日本語でもなかなかパッと頭に入ってこない内容を、英文で読むのはなかなか大変です。
その他コラムの内容として、城壁構造の説明であったり、組織の説明であったり、いずれも難易度は高めです。
コラムの頻度はそれほど高くありませんが、出てきたら一旦読み飛ばしましょう。
【英語版】進撃の巨人のレビューまとめ
いかがだったでしょうか。
進撃の巨人は、その壮大なストーリーに加え、その世界観の作りこみが素晴らしいと思います。
「飛ばして良いですよー」と言ったコラムですら、この世界観を補足するのに重要なポイントなので、是非余裕ができたら英文にもチャレンジしてみてくださいね。
「英語の学習」という意味では、やはりバイリンガル版の取り組みやすさは秀逸です。
文字は小文字ですし、日本語訳もあるし…
バイリンガル版の最大の欠点、それは「作品が限られていること」です。
お気に入りの漫画のバイリンガル版を探したら、存在しなかった…なんてよくあります。
なので、「進撃の巨人」がバイリンガル版で発売されているのは本当にラッキーなのです。
バイリンガル版が発売されている作品に関しては、どんどんその便利さを利用していきましょう。
以上お付き合い頂きありがとうございました。