【勉強がつらい時】多読という究極の学習法【注意すべき点もあります】

どうしてもやる気がでない」…英語学習を続けていると、どうしてもそんな日があります。「悩み事があって集中できない」…仕事/プライベートに関わらず、大きな悩み事があると、勉強どころじゃない!ってなってしまいますよね。

このような状況で、英語の学習を継続するにはどうしたら良いのでしょうか?英語に関わらず、何かの学習をしている人の永遠の悩みですね。精神的に安定していない状況で、学習を続けるのはなかなか辛いものです。

ただ、英語学習においては、このような状況でも学習を継続できる”ずるい”方法があります。それが「多読(=英語読書)」です。

皆さんも日本語での読書で、続きが気になり、つい夜更かしをしてしまった経験はないでしょうか。洋書においても、自分のレベルにあった書籍を選定し、正しいやり方で行えさえすれば、時間を忘れて読書に夢中になることが可能です。そしてそれは、あなたの英語能力全般を底上げしてくれる英語学習の一つなのです。

本記事では、多読の効果と、正しく多読を行うための注意点を説明します。「英語学習がつらい」という方は、是非最後まで読んで、「多読」を普段の学習の逃げ道として、選択肢に加えて下さいね。

多読とは?

多読で有名なSSSというNPO法人は、多読を下記のように定義しています。

多読(Extensive Reading 略してER)とは、文章を分析しないで大意を把握する読書法です。

「めざせ100万語!多読で学ぶSSS英語学習法」の「多読とは?」より引用

勉強ではなく、あくまでも”読書”という点が強調されていますね。詳しい内容はまた後述しますが、この方法で多量の本を読む、というのがポイントです。

目指すは100万語?

SSSでは、多読未経験者が目指す直近の目標として100万語を上げています。100万語と言ってもピンときませんが、だいたいハリーポッターの全シリーズ7冊分くらいです。初心者向けの薄目の書籍なら、だいたい20~30冊程度で、100万語にいくようです。多いように思うかもしれませんが、英語で読書に慣れてしまえば、案外すぐに到達してしまいます。

多読の効果

英語に関連するあらゆる能力がアップします。多読は(多聴と合わせて)究極の学習法と言われる所以(ゆえん)です。後ほど述べる注意点を守って多読を続けていけば、あなたの英語能力は無限に発達していきます。以下、効果を具体的に見ていきますね。

リーディング力

多量の英文に触れていくことで、英語を読むリズムが身に付きます。リーディングの速度が上がり、また長い文章から大意をつかむことが出来る様になります。英語そのものに慣れ、”日本語脳”から”英語脳”に変わっていきます。

始めはこそ、意味を取るのに頭の中で音読してしまうかもしれませんが、ある時から黙読で文章を理解している自分に気づくと思います。英語での読書に慣れと、個々の単語を、発音されたときの”音”ではなく、”文字”で認識できるようになります。そうすると、一般的な音読速度の限界と言われている200wpm(=1分間あたりの単語数)を超えた、いわゆる”速読”というレベルで、英文を読めるようになるのです(ちなみにネイティブの読書の速度は平均で300wrpm程度みたいですよ)。

リスニング力

多読を行うことで、英語を英語のまま理解できるようになります。リスニングは、”音の聴き取り”→”文章の理解”の2段ステップを踏みますが、多読は後半の”文章の理解”に大きく寄与します。

The camera she bought for me
(私にために彼女が買ってくれたカメラ)

という文章を例にとると、下記のように日本語に訳すとき、英文を後ろから追っていく必要があります。

英文をそのまま理解することが出来れば、”後ろから訳し直す”必要がなくなるため、英文の処理速度が上がり、しいてはリスニング能力UPにつながります

スピーキング力(ライティング力)

多読多聴によって、膨大な数の英文に触れることで、それらは潜在レベルで脳に蓄積されていきます。蓄積された英文は、脳内で咀嚼され、アウトプット(スピーキング&ライティング)の場で形を変えて出て来るようになります。「考えなくても、勝手に英語が頭に浮かんできた!」ということが起こるようになるのです。

また”英語らしい”表現や言い回しは、”英語”に多量に触れることでしか取得できません。最終的に”自然な英語”を話せるようになるのを目指すのであれば、多読は、どうしても必要なプロセスなのです。

文法・単語力

「こんな文法、いつ使うのかな~」。文法を学習していると、頻繁に出て来る疑問だと思いますが、多読するとその答えが見つかるはずです。文法を学習している際は、取っつきにくい仮定法や倒置等も、当たり前に出てきます。多読の中で、学習した文法事項に何度も出くわすことで、それらが確固たるモノとして定着していきます

多読を続ける中で、文法が「小難しいルール」ではなく、「文章を理解するための便利なルール」という事を肌で感じることができると思います。文法を勉強しておいてよかった~、となるはずですよ!

多読を行うに際して注意すべき点

さて、多読の効果についてはご理解頂いたと思いますが、多読もそのやり方を間違えると、その効果は半減してしまいます。ここでは、多読における注意点を取り上げたいと思います。

多読3原則を守る(例外あり)

先のSSSが提唱している多読3原則なるものがありまして、

1. 辞書は引かない
2. 分からないところは飛ばして前へ進む
3. つまらなくなったら止める

「めざせ100万語!多読で学ぶSSS英語学習法」の「多読3原則とは?」より引用

というものです。これらはすべて、「楽しみながら読む」という事を目的としています。ざっと解説しますと、

1. 辞書は引かない

辞書を引くと、読むペースが崩れます。調べる回数が多いと、それ自体が億劫になってきます。単語の学習をしている訳ではないので、個々の分からない単語は飛ばして文脈で理解するように努めます。

2. 分からないところは飛ばして前へ進む

わからないところにこだわると、読むペースが崩れるだけでなく、ストレスが溜まります。多読は”楽しく”がモットーです。ストーリーを追うことに集中して、意味がつかめないところは飛ばして読み進めます。

3 つまらなくなったら止める

「意味がわからなくて、つまらない」「意味はわかるが、ストーリー自体が面白くない」等々、どんな理由にせよ、「つまらない」と感じたら読むのをやめて、次の本に行きましょう。

さてこの3原則のうち、1の「辞書を引かない」はあまり拘らなくても良いです。というのも、世の中便利になり、例えばKindleで読めば、文字をタップするだけで単語の意味が表示されます。「わからない…(イライラ)」という気持ちに耐えるよりも、サクッと調べた方が、結果としてスムーズに読み進められます。ただ、あくまでも単語を調べる目的は、「楽しく読むため」なので、分からない単語をすべて調べる、というようなことは避けてくださいね。

自分のレベルにあった本を選ぶ

上記3原則を守るために、自分のレベルにあった本を選ぶことが大事になります。「簡単過ぎるかな~?」くらいの本から始める方が、挫折せずに済むのでオススメです。SSSが、読者の意見を参考にして、YL(読みやすさレベル)なるものを 0.0~9.9 の範囲で定義しています。[本の名前+YL]でGoogle検索をかければ、大抵ヒットすると思いますので、本の難易度を確認する場合は、ご参考くださいね。

電子書籍で読む

これは、ただただkindleの辞書機能を利用するためです。下記のように、知りたい単語をタップするだけで、意味が表示されます。昔なら、紙の辞書で時間をかけて調べる必要があったので、「辞書禁止」もやむを得ないルールでしたが、この機能のおかげで、その制約もなくなりました。

上記はLouis Sachar著の「Holes」から引用
多読用として有名な書籍ですが、YLは6.2~6.5と初心者にはハードルが高いかもしれません。

多読の前に最低限の文法を抑える

文法の学習をしないと、理解できる文章も限られます。児童向けの本なら別ですが、ある程度、内容のある面白い本は、文法の知識がないと理解が難しいことが多いです。繰り返しになりますが、多読のモットーは「楽しく」です。文法がその妨げになるのです。

読み進めるうちに、リーディング力がグイグイ上がっていきますが、文法だけは最後まで、重い足かせのようにあなたを苦しめます。自然と分かるようになることは、ほぼないと考えた方が良いと思います。

ですので、浅くても良いので文法の学習を一通り終えておくのが理想です。

とは言っても、文法の学習が終わらないと多読をしてはダメ!という訳ではありません。理解できる限りにおいては気にせず多読を続けましょう。多読を続ける中で、文法の必要性を感じるようになると思います。やる気が戻った時に、文法の学習を再開すればOKです!

オススメ書籍

さて、多読を開始するに際して、何を読むのか悩むかもしれません。本の好みは人それぞれですが、ここでは、私が昔読んで面白かったビギナー向けの書籍を3冊紹介しますね。
(どの本もAmazonで試し読みができるので、自分のレベルでも読めそうか、事前に確認くださいね)

Penguin Readers: Level 3 THE RING
(YL=3.2)

One day Rafael was well; the next day he was completely mad.

上記は、1ページ目に記載のある1文です。ある日を境にラファエル(Rafael)は、正気を失います。その前日、ラファエルが想う美少女アニータ(Anita)と、街からやってきた人気者の少年(ソルジャー)が、村から突然失踪。失踪の理由は誰もわかりませんが、ラファエルの狂気は二人の失踪に関連がありそう。医者である主人公が、村に人たちにヒアリングを行い、ラファエルに起こった悲劇の全貌を明らかにする、というミステリー風のストーリです。

文章は平易で難しい単語もありませんが、ストーリは良く練ってあり、伏線の回収を含めて本当に完成度の高い作品です。よくこれだけの内容をこの単語レベルで表現できるな、と感心します。ストーリー展開も軽快で、サクサク話が進みます最後の”オチ”は「そうだったのか!」と納得するはずですよ。私は、多読で一番初めにこの本を選びました。おかげで「英語で読書って楽しい!」と、多読を継続する大きなきっかけになりました。ミステリー好きでなくても、読む価値のある本当にオススメの一冊です。

A Christmas Carol
(YL=3.2)

お金に汚く、冷徹で、人の温かみが全くない主人公スクルージがある日、7年前に亡くなった共同経営者ジェイコブの亡霊を見ます。亡霊は、3人の幽霊の出現を預言。3人の幽霊は、スクルージの過去と未来を映し出します。彼の自身の過去の無慈悲なふるまいと、その結果待ち受けるだろう悲惨な未来を見せつけられたスクルージは、後悔と絶望にさいなまれるも、未来を変えられる余地があると知り、その後・・・と言う話です。

特に幽霊が彼の未来を見せる場面は、自業自得とは言え、彼があまりにも可哀そうで、読んでいて胸が苦しくなります

話に入るまでは、(当時)若干読みづらさを感じましたが、圧倒的なストーリー展開で、読む人を引き付けます。後で知りましたが、この本は、世界的に有名な文豪さんによって書かれた本らしいです。読後感も非常によく、どなたにもオススメできる一冊です!

Frankenstein
(YL=3.2)

 狂気の科学者フランケンシュタインが、自身の知的好奇心を追い求めるがあまり、怪物を創ってしまった。墓場から死体をかき集め、電気の力でそれに生命を与えたのだ。しかし、あまりに酷いその容貌に、彼はその怪物を捨てた。その醜悪な姿から、人々からひどい扱いを受けた怪物は、孤独と絶望から、創造主を恨み、復習をするために、その大切な人たちを次々と殺害。フランケンシュタインは彼を止めるべく、決死の冒険に…

「フランケンシュタイン」と言う名のモンスターは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。その元の話です。ストーリーが一直線で理解し易く、何も考えずに読める本です。英語も平易で、難しい表現や単語等もほとんどありません。是非、試し読みで難易度を確認してみてくださいね。

※3つともたまたまYL(読みやすさレベル)=3.2ですが、私が多読初期にYL=3前後の本を読んでいたためです。

最後に

以上いかがだったでしょうか。多読はなにせ楽しいです。自分が好きな本にあたると、それこそ睡眠時間を削って読んでしまうほど、夢中になります。”勉強”の要素が感じられない学習法です。

長い英語学習においては、勉強をしたくない時もあると思います。精神的に苦しいときに学習を継続させることほど、つらいものはありません。そんなときは、是非、”多読”を普段の学習に取り入れて、気分を変えながら英語学習を継続してくださいね。

以上、お付き合い頂きありがとうございました。

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