参考書「どんどん話すための~」が有名と聞いたけど、悪い評判もあり迷っている
瞬間英作文の具体的な進め方がわからない
本記事では、このような悩みにお答えします。
英会話を上達させるためのトレーニングとして、瞬間英作文はとても有効です。
現在、海外の顧客と日々英語で会議を行っている私も、瞬間英作文のおかげで劇的にスピーキングが上達しました。
「どんどん話すための瞬間英作文」はベストセラーですが、賛否両論ある参考書でもあります。
本記事では、実際に本書をやり込んだ経験に基づき、良い点/悪い点を独自の視点で説明していきます。
スマホ用のアプリ版も発売されており、そちらについても合わせて評価していきたいと思います。
「どんどん話すための瞬間英作文」を使って勉強しよう、と言う方は是非最後までご覧下さいね。
Contents
「どんどん話すための瞬間英作文」って、どんな参考書?
そもそも瞬間英作文って何?
瞬間英作文とは、「英語上達完全マップ」の著者「森沢 洋介」氏が考案した英語スピーキングの学習法です。
字の通り、日本語から”瞬間的”に”英作文”するトレーニングですね。
→I have two cars.
ポイントは可能な限り早く答えることです。
早く答えようとすることで、英文を作るための英語回路が作られていきます。
スピーキングに特化した学習法
英語をたくさん勉強して、TOEIC900あるような方でも「英会話は苦手…」というケースは少なくありません。
それは単にスピーキングに特化した学習をしていないからなんです。
例えるなら、野球の大会に出るのに打撃練習をせずに、走り込みや素振りばかりしているようなものです。
オンライン英会話のような実践の場に加えて、日々の英語学習においてスピーキングのトレーニングは必須なのです。
英会話に困っている方は是非こちらの記事「【外国人との食事】会話において一番大事な事と話題3選【もう困らない!】」も参考にしてみてくださいね。
文法は使えてなんぼ
とあれば、
と多くの方は回答できると思います。
文法的には、比較級(~er + than)の用法になりますが、文法を理解していればそれほど難しくはないと思います。
ですが、
を「英語にしてください」と言われると多くの人が答えに窮します。
「見える」ってどう表現するだろう…
look likeかな。でもなんか変だなぁ…
瞬間英作文はそのための学習で、「どんどん話すための瞬間英作文」はそれを行うためのトレーニング本です。
「どんどん話すための瞬間英作文」のレビュー【良い点】
それでは、まずは本書の良い点を見ていきましょう。
会話に必要な最低限の文法が身に付く
本書で扱う文法の範囲はいわゆる中学で習う文法範囲です。
こういうと大したことないように聞こえるかもしれませんが、
本書の良いところは、会話で必要な中学文法を過不足なくカバーできている点です。
「どんどん話すための瞬間英作文」をすらすら英作文できるようになれば、一旦会話に必要な文法事項は押さえたことになります。
内容に癖がない
例文は良くも悪くも癖がありません。
参考書によっては、著者の好みで突飛な例文が出てくることがありますが、そのような心配もありません。
非情にオーソドックスな内容で安心して学習できます。
私はラフな例文より好みなので良い点として上げさせていただきました
難しい表現(単語)がほとんど使われていない
難解な単語や言い回しが出てこないのも、本書の使いやすさの1つです。
学びたい内容以外にわからない単語や表現がたくさんあると、そのたびに調べないといけないので、効率が悪くなるんですよね。
その点、「どんどん話すための瞬間英作文」は本当に平易な単語と表現で構成されています。
なので、本書でトレーニングしたい「瞬間英作文」に集中できるのです。
以下イメージを持ってもらうために本書を引用しますね。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング Part1中学1年レベル 14章 when」から参照
なので、この”簡単”というのがとても大事なのです~!
「どんどん話すための瞬間英作文」のレビュー【悪い点】
英作文のためのヒントがない
これは本書だけでないのですが、英作文のためのヒントがありません。
どういうことかと言いますと、まずは以下をご覧ください。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング Part2中学2年レベル 17章 不定詞-副詞的用法(感情の原因)」から参照
「うれしい/よろこぶ/幸せ」といった似た表現が出てくるのですが、対応する英単語が「glad」なのか「pleased」なのか「happy」なのか、わかりません。
例えば上記の⑨で、「うれしい」なので「glad」と回答すると、正解は「happy」になっています。
一般に、日本語に対応する英文の正しい答え方が数パターン存在します。
つまり日本語訳だけでは、正解の英単語を選べないのです。
この点、正解を導くためのヒントがあれば、より心地よく瞬間英作文ができるなぁと思いました。
(例えば、ヒント:うれしいは【gから始まる単語】です、というイメージです)
文法解説が中途半端
本書では、各項目に「ワンポイントアドバイス」と題して文法解説がされています(下図のページ下側)。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング Part3中学3年レベル 21章 関係副詞where」から参照
書いてある内容は至ってまともなのですが、少し中途半端な感じは否めません。
上の例では、関係副詞が解説されていますが、
関係副詞を理解していない人にとっては、この説明だけでは不十分です。
あくまでも補足的な意味合いとは思いますが、スペースを割くのであれば問題数を増やしてもらった方が私的にはうれしかったです。
少し不自然な英文
本書を使うに際して、多くの方が気になる点かもしれません。
レビュー等でも「例文が不自然」というコメントをよく見ます。
例えばで言いますと、以下のような例文でしょうか。
This apple is bigger than that one.
このりんごはあのりんごより大きい。「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング Part2中学2年レベル 21章 比較級-er形」から参照
いかにも教科書に載ってそうな文章ですね。ほかには、
What your parents want you to do is (to) write to them more often
君のご両親が君にしてほしいことはもっと頻繁に手紙を書くことだよ。「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング Part3中学3年レベル 15章 先行詞を含む関係代名詞what」から参照
何か回りくどい言い方です。
Who is prettier than Nancy? – Emily is.
誰がナンシーよりきれいですか?-エミリーです。「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング Part2中学2年レベル 21章 比較級-er形」から参照
こんな質問、あまりしないかもしれません…
上記、極端な例をピックアップしていますが、皆さんはどう思われましたでしょうか。
「どんどん話すための瞬間英作文」には間違いがある?
間違いがある訳ではない
不自然なだけでなく、「間違いがある!」と指摘する方もいらっしゃるようです。
改めて見返してみて、これかな?と思ったのが以下。
Emily is liked by everybody (everyone)
エミリーはみんなに好かれています
何か違和感を感じますでしょうか。
ネイティブが同じ内容を自然に言うとすると、
と言う風になると思います。
ということで確かに少し「不自然」ではあるものの、「間違い」という訳ではありません。
気にせず進もう
あくまでも型を覚える学習なので、この程度の「不自然」であれば全く問題ないと私は思います。
細かいところ気にせず、どんどん型を覚えていこう!というのが私の意見ですが、「ネイティブが使わない表現は絶対に嫌!」と言う方はやめた方が良いかもしれません…
どうしても気になる方は…
”不自然”がどうしても気になる方は、「会話できる英文法大特訓」がオススメです。
扱っている文法事項は「どんどん」に比べると少し狭いですが、中学文法はほぼ網羅しており、不自然な例文がありません。
「どん話すための瞬間英作文」の使う条件
中学文法を一通り理解していることが前提
あやふやでも良いので、中学文法を一通り理解している方が良いです。
本書で文法を「理解」をしようとすると、挫折してしまいます。
前述の通り、本書では文法解説がおまけ程度にしかついていないからです。
中学文法が不安な方は…
中学文法に不安のある方は、「中学英語をひとつひとつわかりやすく」がオススメです。
すべてではありませんが、中学文法の重要なポイントをわかりやすく解説していますよ。
「どん話すための瞬間英作文」の使い方
覚えるまでやり込もう
基本的には前から順番に、時間の許す限り「瞬間英作文」を進めていきます。
少し考えて英文が浮かばないものは、すぐ答えを確認しましょう。
1周目~3周目くらいが進みが遅く、一番つらい時期です。
これを超えると徐々に楽になってきます。
型を覚えてスラスラ言えるようになると、楽しくすらなってきます。
よく「瞬間英作文は覚えたら意味がない」と言いますが、基本的な型が詰まった英文たちなので、覚えるくらいまで繰り返しましょう。
私は少なくとも20回は繰り返したと思います。
(残念ながら本に記録は残っていませんでした…)
どんどん書き込もう
「英作文のためのヒントがない」の項目で少し触れましたが、自分が瞬間英作文しやすいようにどんどん書き込んでいきましょう。
1周目~3周目(特に1周目)は、このカスタマイズ作業に力を入れましょう。
一旦カスタマイズが完了すると、心地よく瞬間英作文ができるようになります。
そうすると、サクサク進むのが楽しくなってきます。
以下は私の「どんどん話すための瞬間英作文」です。ちょくちょくヒントを書き加えています。
「どんどん話すための瞬間英作文」の効果
次のステップのための基礎固め
ヨーロッパに赴任した直後、あまりに自分の英語コミュニケーション力の低さに失望して、本書を始めました。
「どんどん話せるようになりました~!」と言えたらベストなのですが、実際には自分が想像していたよりも上手く話せるようにはなりませんでした。
中学文法をマスターするのって、思っているよりもずっと大変です。
私も当時はそれを知らずに、すごい高い期待をもって本書に取り組んだのが、上記「思ったより・・・」の原因です。
それでも、本書をやり込んだ一定の効果はあり、英語での会議においても赴任直後よりはずっと自分の意志を伝えるようにはなりました。
中学文法できれば、大概のことは伝えられます。
この「どんどん話すための瞬間英作文」は、中学文法の”基礎固め”という位置付けで、取り組むのが良いと思います。
本書をやり込めば、「中学文法マスター」への大きな一歩を踏み出せるはずです。
どんすらぽんを超えていけ
もし「どんどん話すための瞬間英作文」が気にいってやりきることができたら、姉妹書の
「スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング」
にもチャレンジしてみてくださね。
「どんどん」と合わせて通称この三書を「どんすらぽん」と言います(私だけかもしれません)。
「ポンポン」は「どんどん」と同レベルですが、「スラスラ」は「どんどん」よりも大分レベルがあがります。
1つずつ確実に仕上げていきましょう。
さらに、「どんどん」と「スラスラ」には、”おかわり!”という続編も出ています。
私はやっていませんが、「もっと練習したい!」と言う方は合わせて検討してみてくださいね。
大量にやりこみましょう。
「どんどん話すための瞬間英作文」のアプリはどうなの?
やっぱり便利なアプリ
「どんどん」と「すらすら」には、スマホで使えるアプリが合わせて発売されています。
内容は書籍のものと同じようですが、いつでもどこでもスマホ一つで学習できるのはやっぱり魅力的です。
私も「すらすら」をスマホで学習しました。
お値段もアプリの方がお得で、言うことなしの様に思えますが…
それでもアプリをオススメしない理由
ここまで読んでいただいた方なら想像がつくかもしれませんが、アプリ版をオススメしない理由は「書き込めない」からです。
ヒントが書き込めないため、微妙な日本語⇔英語の訳の違いをすべて暗記しないといけない羽目になります。
これは、アプリの便利さを考慮しても、余りあるデメリットです。
アプリ版できちんとしたヒントが記載されたものが発売されたら良いのですが…
ということで、アプリ版は私としてはオススメしません!
レビューまとめ【「瞬間英作文」好き派/嫌い派】
いかがだったでしょうか。
色々な方の英語ブログを見ていると、瞬間英作文が「好き派」と「嫌い派」に分かれるようです。
「嫌い派」は、日本語→英語の単調作業がどうして好きになれない、という方が多いようです。
性格的な部分も当然あると思いますが、気になるのは「嫌い派」の方は、どうも繰り返し数が少ない印象です。
1~3周しかせずに次の本に進んでしまうと、”サクサク進む感”を味合わずしてその参考書を終えてしまうことになります。
凄くもったいないです。
この記事を読んでいただいた読者におかれまして、
「ポンポン」にせよ、
「すらすら」にせよ、
「英会話大特訓」にせよ、
”瞬間的”に英語が浮かび、サクサク進む感覚を味わうまでやり込んでほしいと思います。
そうすれば、あなたもきっと瞬間英作文「好き派」に属せるはずですよ。
どうせなら楽しく学習していきましょう。
以上お付き合いいただきありがとうございました。
「一億人の英文法」をこちらの記事「【良い評判/悪い評判?】一億人の英文法【やり込んだ私が徹底レビュー!】」で徹底レビューしていますので、もうワンステップ進む方は是非ご覧下さいね。