「TOEICの点数がなかなか伸びない…」多くの方が抱える悩みですね。「あんなに勉強したのに、全然スコアに反映されない…」TOEICを学習している人なら一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。
英語の効果的な学習について考える時、目的に応じて様々な学習法が考えられますが、ことTOEICに関しては、1つの答えがあります。ズバリ、「“公式問題集*”を解く」です。
「なんだ、またそれか…」と思った方もいらっしゃるかもしれません。というのも、TOEICを学習している人たちの間では、広く知れ渡った学習法の1つだからです。実際、TOEIC高得点の方の多くが、行っている学習法です。私も公式問題集をメインとした学習で、TOEIC960(Listning 495/Reading 465)を取る事ができました。
一方、公式問題集を最優先で取り組んでいる人は多くありません。余多ある”取り組み易そうな”参考書に誘惑されて、寄り道をしている方を多く見ます。
本記事では、なぜ公式問題集がTOEIC対策の最適解になるのか、について解説しています。そこには確固たる理由があります。公式問題集を使って、最短でTOEICスコアアップを目指している方は、必読ですよ。
*公式問題集:TOEICを主催するETSが発行する、本番同等の模試問題集
Contents
理由1:TOEICの出題範囲=公式問題集
TOEICで試される力は、英語能力全般に対して、ほんの一部です。それは出題範囲が限定的だからです。日常や一般的なビジネスシーンがメインですが、出題はパターン化されています。限りなく例外が少ないテストです。過去何年間にも渡り、予想された範囲の出題を繰り返しています。以下、少し具体的に説明しますね。
トピック
TOEICでは、アカデミック(学術的)な内容は出題されません。専門的な内容も避けられてますし、歴史・政治・宗教に絡む内容も出てきません。日常とビジネスだけ、と言ってもなお広いですが、実際にはその中でも扱われる話題は限られています。
語彙
語彙が1万語あればTOEIC900レベルと言われますが、TOEICの点数を取るだけであれば、もっと少ない語彙数でも到達できると思います。上述のように、出題トピックが限られれているため、使用される語句もそれに伴い限られるためです。スラングもないですし、ネガティブな表現が出て来ないのも特徴です。
文法
ほぼ中学レベルで解けます。高校レベルはほんの一部だと思います。出題にはやはり偏りがあり、出題されない範囲もあります(冠詞に関する出題は過去ないようです)。頻出問題もあり、例えば、品詞を問う問題は毎回複数、出題されています。
出題範囲をどうカバーするか
さて、TOEICの専門家ならばこれらの傾向を分析して、対策を考えたら良いでしょうが、一般の人たちはそんな暇はありません。そこで公式問題集です。TOEICの”出題範囲”ズバリを問題集にしてくれています。「TOEICの出題範囲」=「公式問題集」なのです。
例えば、語彙問題で、公式問題集と同じ問題が出題される、なんてことは良くある話です。文法もしかりで、同様の出題が繰り返し出題されています。扱われるトピックも、公式問題集を解いていれば、本番では「公式問題集で似たの見たなぁ」と感じる問題ばかりです。
それくらいTOEICの出題範囲は限られています。そして、それは公式問題集でカバーされているのです。こんな便利なもの、使わない手はありません。
理由2:ナレータが本番と一緒
TOEICのリスニングセクションでは、アメリカ/イギリス/カナダ/オーストラリアの4人のナレータが、リスニングの英文を読み上げます。ズバリ4人だけ、という訳ではなく、複数人で不定期にローテーションしている様です。
さて、公式問題集では、これら本番と同じナレータが登場します。このメリットは計り知れません。
日本語でも、声が低かったり、独特のイントネーションがある人と初めて話すときは、少し聴き取りずらかったりしますね。ネイティブではない我々日本人にとって、英語の発音の”クセ”はそのまま聴き取り易さに直結します。アクセントやイントネーション、音の強弱の付け方や間の取り方等、そのスピーカの”クセ”に慣れることで、英語がグーンと聴き取り易くなるのです。
「本番のナレータに慣れることができる」。これが公式問題集の2番目のメリットです。
理由3:同じ製作者が同じプロセスで制作
市販されている他のTOEIC模試問題集でも、多くは本番と全く同じ形式をしています。ところが、内容も全く同等レベルか、というと、そうでもないことがほとんどです。
TOEICを解いていると、「良く分からないけど、これは正解ではない」みたいなことが、何となくわかってきます。問題の出し方、ひっかけ問題の作り方、正解の選択肢の隠し方、等々、独特な”作り方の癖”があるのです。これが、形式だけをマネて作る問題集との大きな違いです。
公式問題集では、本番と同じ製作者が同じプロセスで問題集を作ります。従ってこの”作り方の癖”もそのまま反映されるのです。
公式問題集の使い方
それでは、公式問題集を使ってどのように学習を進めて行けば良いのでしょうか。ここでは私が実践していたTOEIC対策の学習法を紹介します。
リスニング編
(1)公式問題集を解く
(2)答え合わせをする
(3)知らない単語・表現を調べる
(4)シャドーイングを繰り返す
シャドーイングをどれだけ繰り返すかが勝負です。ひたすら行います。よどみなくシャドーイングできるようになったら、次のTESTに進みます。私はだいたい3~4周程度は回していました。シャドーイングについては、こちら(【究極の学習法】シャドーイングの超絶メリット【やらないと損?!】)の記事も是非参照くださいね。
シャドーイングをした英文を、隙間時間にリスニングすると、相乗効果が見込めるので、オススメですよ。
リーディング編
(1)公式問題集を解く
(2)答え合わせをする
(3)知らない単語・表現を調べる
(4)音読を繰り返す
音読をどれだけ繰り返すかが勝負です。ひたすら行います。よどみなく音読できるようになったら、次のTESTに進みます。私はだいたい5~10周程度は回していました。音読については、こちら(【科学的に証明された】音読による学習法【失敗しない実践の仕方】)の記事も参照くださいね。
「公式問題集以外の学習をする」=「最短ではなくなる」
冒頭でも述べましたが、「公式問題集が良いよ」という事は皆さん結構認識されている一方、実際に取り組んでいる人は少なかったりします。たぶん、それはその”単調さ”が原因だと思います。
私は英語の学習自体は、比較的楽しく行っているのですが、公式問題集を使ったTOEIC対策は結構苦手でした。それが、前半に述べた「範囲が非常に限定されている」というTOEICの特徴に起因します。同じような話題を同じ形式で同じように解く必要があります。TOEICの対策を無駄なく行うおうとすると、この単調さは避けられないのです。
弱点補強のために、他の問題集や参考書を使っても全然問題ないと思いますが、TOEIC対策の総合力を付けるという意味では、「公式問題集以外の学習をする」=「最短ではなくなる」ということは、頭に入れておく必要があります。
最後に
いかがだったでしょうか。
既に語りつくされたトピックではありますが、改めて自身の視線で書き下ろしてみました。結論部分は多くの方々が書かれた内容と大差ないと思います。「公式問題集」=「最強の対策本」は、もはやTOEICを学習しようとしている方の中では、定説になってきているからです。
しかし、「なぜ」というところを理解することが重要だと思っています。ここを理解すれば、TOEICスコアアップに対して「最も効率的な学習をしている」と自信が持つことができます。そうすると、この単調さを伴う学習法に対する見方が変わり、しいては、学習の継続につながるはずです。
本記事によって、一人でも多くの方が、公式問題集を使ったTOEIC学習を進めて頂ければ、筆者としては幸甚です。
以上お付き合い頂きありがとうございました。