「英語を使った業務ってどんな感じなんだろ?」「将来、英語を使った仕事がしたい」「自分の英語を活かせる職を探してる」。こんな風に思っている方も多いかもしれません。
ひとえに「英語を使った仕事」と言っても、その種類は千差万別です。通訳/翻訳や英語教師と言った「英語自体を専門」とする仕事から、一般の業務を「英語で」行う仕事まで、様々です。
本記事では、日系企業でエンジニアとして働く私が、日々どのように英語を使った業務を行っているかについて、皆さんとシェアしたいと思います。実体験をベースにしているので、英語に携わる業務をイメージしていただくのに、参考になる部分も多いと思います。是非、最後まで見て行ってくださいね。
Contents
簡単なプロフィール
本編に入る前に、簡単に私のプロフィールを紹介したいと思います。
・理系出身のエンジニア
・某日系企業で海外顧客対応を担当
・海外赴任経験あり(ヨーロッパ)
・TOEIC960
・英語力向上のため多読/多聴を中心に英語学習を継続中
それでは、早速始めていきましょう。
英語を使った業務
メール(チャット)
英語のメールは全体の1/3程度です。海外拠点関連のメールが主ですが、顧客からのメールも含みます。顧客の担当者は決まっているので、メール受信箱に顧客の名前がある時は、若干緊張が走ります。新たなリクエストや、苦情を含む場合もあるからです。
英語での返信は、それほど多くはありません。日にも寄りますが、平均3通/日、程度だと思います。海外拠点や海外取引先へのメールは、気軽に返信しますが、顧客へのメールはやはり緊張します。必要に応じて、ネットで専門用語や表現等を確認する場合もあります。
最近は、チャットツールも環境が整ってきたので、メールに加えてチャットのやり取りも増えてきましね。
プレゼン資料作成
海外顧客と週例会議があるため、それに向けたプレゼン資料を作成します。基本は、社内のメンバー(日本人)から必要な情報を集めて、それをプレゼン資料に仕上げていくイメージです。
資料作成自体は、それほど苦ではないのですが、問題はトラブル等があった時です。それをどう顧客に報告するか。社内調整が必要な時も多いですし、場合によっては海外拠点とも、事前にすり合わせを行う必要があります。この場合、プレゼン当日をイメージしながら、悶々と資料作りを進めることになります。
TEL会議
海外顧客(西ヨーロッパ)
時期にもよりますが、週2~4程度、顧客とTEL会議を行います。自分がフルでプレゼンする会議もあれば、一部だけを担当する大きな会議もあります。プレゼン後は協議になりますから、社内メンバーに日本語通訳をしつつ、必要に応じて確認を取ったり、上司に判断を仰いだりします。
顧客にとって良くない情報をプレゼンする日は、その前日からブルーになったります。特にこちらに落ち度がある時は、顧客は真摯ではありますが、やはりストレートに言ってきますので、堪える時もあります。誠意を伝えつつ、何とか納得してもらえるよう努めます。この辺は、英語でも日本語でも、同じですね。
海外取引先(ヨーロッパ全般)
あまり多くはありませんが、海外取引先とのTEL会議もあります。この場合、問題なのが先方の英語の訛(なま)りです。我々日本人も、英語の訛りがあるように、非ネイティブの国においては、その国特有のアクセントやイントネーションがあり、聴き取りの難易度を上げています。
固有の訛りも、繰り返し話をすることで慣れて来るものですが、会議の頻度が少なく、また会議を行う取引先が複数に渡るため、聴き取りの問題は常に存在します。ましてや、音声が安定しないTEL会議です。
ただ相手は聴き取れないと躊躇なく聞き直してくるので、こちらも遠慮なく聞き返せるのは、良い環境かなぁと思います。
海外拠点(東ヨーロッパ)
英語会議の中では、一番ハードルが低い会議です。相手のことも知っていますし、気軽に協議ができます。
ただし、会議自体の規模が大きくなりがちで、利害が一致しない案件の時は、会議も長引く傾向にあります。先日も海外2拠点との会議があり、議論が白熱した結果、3時間を超える長丁場になりました。会議が終わる頃にはもうクタクタです。
ドキュメント作成/チェック
プレゼン資料以外にも、英語のドキュメント作成/チェックの仕事は多いです。会議とは別に、顧客へ説明資料を作成することも良くありますし、会議の議事録も毎回チェックし、必要に応じて修正する必要があります。
日本語資料から英語資料への翻訳を頼まれることもちょくちょくあります。専門の翻訳/通訳さんもいらっしゃるので、単純な翻訳は断るようにしているのですが、背景知識が必要であったり、(一般的でない)技術的な内容を含む場合は、対応せざるを得ない場合もあります。
また過去、契約書チックな書類を、技術的な立場からチェックするように指示されたケースもありました。表現が特有で、なかなか苦慮した記憶があります。
ワークショップ
最近(2021/3現在)でこそ、コロナ影響で海外出張はめっきり無くなりましたが、以前は年に数回程度、海外出張がありました。特に顧客とのワークショップ(顔を突き合わせて集中的に協議を行う場)が定期的に開催されていたこともあり、出張の機会も多かったです。
ワークショップ自体もなかなかタフなのですが、夜の会食がくせ者です。顧客との会食ですので、仕事の話題ではないと言っても、やはり気を使います。仕事の一環ですし、ずっと英語というのも疲れます。特に日本で開催したときは、夜が非常に長くなる傾向があります。2次会・3次会と続いていき、気付けば夜中の3時、という事も珍しくありません。
そして何が辛いかと言うと、その翌日以降も、何事もなかったようにワークショップが続いていくということです。寝不足と二日酔いと戦いながら、重要案件をこなしていく必要があります。同じ量の酒を飲んで、同じ時間しか寝ていないはずなのに、平気な顔で協議を続ける顧客を見るたび、不思議に思ったものです。体のつくりが違うのでしょう。
さて、そうは言っても、ワークショップは私自身の大きな活躍の場でもあります。上記過酷な状況が続きますが、ワークショップ中はスイッチが入るので意外と平気だったりもします。そして何よりも普段、TEL越しでしか話ができない顧客と、面と向かって協議を行い、問題を解決し、プロジェクトの方向性を決めていくのは、何事にも代えがたい喜びでもあります。ワークショップが終わり、顧客を見送ったあとに味わう「終わったーー!!」という達成感と充実感は、何度経験しても特別なものです。
最後に
いかがだったでしょうか。
上記はあくまでも、私個人の一例ですが、「英語を使った業務」に関して、少しでもイメージをもって頂けたのであれば、幸いです。仕事で英語を使うことができれば、常に英語でのアウトプット(スピーキング/ライティング)を求められますので、給与をもらいながら、英語の勉強をできるようなものです。もちろん、それ相応の責任も伴いますが、「誰でもできる仕事ではない」ということは、自身の仕事のモチベーションにも繋がります。
英語を使った業務に興味のある方は、それぞれの目標に向けて、引き続き英語学習を頑張って行ってくださいね。
以上お付き合い頂きありがとうございました。