英語学習を進めている皆さんの中には、「アウトプットが大事」ということを、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かにアウトプットの練習をしないと、いざ英語を話す場面になって言葉が出て来ない、ということになりそうな気がしますよね。いくら知識があっても、それを実践の場で活かせないのでは、宝の持ち腐れになってしまいます。
本記事では、アウトプットをすることによって得られる3つのメリットについて、順を追ってわかり易く説明しています。普段のインプットベースの学習に加えて、アウトプットの場を設ける事で、実践的な英語を身に付けられるだけでなく、実はインプットの質を上げることにも繋がります。英語学習におけるアウトプットの重要性は、計り知れません。今まで、あまりアウトプットを意識してこられなかった方は是非、本記事を参考にして、アウトプットを普段の学習に取り入れてみてくださいね。
それでは、早速見ていきましょう。
Contents
学習のバランス【初級者でもなぜアウトプットが必要なのか】
具体的なメリットに入る前に、インプットとアウトプットのそれぞれの意味について、念のため確認しておきましょう。
インプットとは
文法の学習や、単語の暗記、リスニングやリーディング等、情報を頭に入れること全般を指します。単に英語学習と言った場合、多くの場合、このインプットを指します。
アウトプットとは
ライティングやスピーキング等、インプットした内容に基づいて実際に発信することです。日常的に英語でコミュニケーションを取る環境にない場合、意図的に時間を作らないとアウトプットの機会は多くはありません。
インプットとアウトプットのバランス
英語学習を進めていく上で、このインプットとアウトプットを意識している人は多くはありません、学習者のレベルに関わらず、量としてインプット>アウトプットの関係を維持する必要があります。これは、「インプットしていないものはアウトプットできない」というシンプルな事実に基づきます。特に学習初期は、文法や語彙、発音や構文の理解等、学習する内容が多く、インプットの時間を十分に確保する必要があります。
上記を踏まえた上で、本サイトではなお、初級~中級者においても、アウトプットを一定の割合で取り入れることを強くオススメします。それは以下で説明する通り、アウトプットは、インプットの質を飛躍的に向上させる効果があるからです。アウトプットを取り入れることで、インプットの時間密度が上がり、その結果、学習全体の最適化を図ることが出来るのです。
アウトプットによって得られる3つのメリット
メリットその1【アウトプットを意識したインプットが出来る様になる】
外国の方と英語でコミュニケーションを取る機会があったとして、その際にあなたは自分が伝えようとした事を上手く英語で表現することが出来ず、悔しい経験をしたとします。例えば、「先日、髪を切ったんだー」という事を伝えたくて、「I cut my hair the other day」と言ったところ、「Oh, did you do it yourself?!」と返されて良く分からないことになったけど、後日調べてみたら、「I had my hair cut」と表現するべきだっと、と学んだとします。
※I cut my hair =(自分で)髪を切った
※I had my hair cut =(美容院等で)髪を切ってもらった。have(had)は使役動詞。
ここで大事なのは、「この表現を学んだ」ということではなく、「使役のhaveってやっぱり大事なんだ」と認識することです。この表現を知らないと「髪を切ってもらった」という至極シンプルな事すら表現できない、という事実を知ることが重要なのです。参考書の類で、「make、have、get、letは重要な使役動詞なので、しっかり覚えましょう」と書いてあって、実際その通りなのですが、アウトプットの場がないと、”困った”が体験できないので、新しい項目を学ぶ必要性に懐疑的になり、どうしても学習意欲が上がらない、という事態に陥ります。
また伝えようとした表現が出てこない、という事を何回も経験することで、普段のインプットの場で、「この表現は次回の会話の場で使えるかも?」と、意識的に覚えようとするようになります。本来、インプットする内容は、すべてがアウトプットに繋がる重要な内容であり学んでいるにも関わらず、そこが実感できず、モチベーションが上がらない、ということが良くあります。アウトプットを意識したインプットを行うことで、インプット時の意識を変えることができるのです。
メリットその2【アウトプットした内容は自分のものになる】
インプットを通して詰め込まれた大量の知識は、真の意味で自分のモノになっていません。大きなタンスの中に、整理なく収納された服のようなもので、必要な表現を見つけ出すのに、都度時間を要することになります。アウトプットを通して、得られる大きなメリットとして、この知識の混沌を整理することが挙げられます。
例えば、前述の例で、使役動詞は知っていて、時間は掛かったものの自分の伝えたい内容をきちんと表現できたとします。そうすると、脳は今までとりあえずキープしていた情報を、「これは大事な情報だ!」と認識し、その内容の重要度を引き上げます。アウトプットを繰り返すことで、脳の中の優先順位がドンドン上がっていき、それによってその表現はあなたの血となり肉となるのです。
身に付けた表現は、アウトプットの場でのパフォーマンス向上に繋がるだけでなく、実はインプット時にも効力を発揮します。例えば、今まで使役動詞が出て来る度に、読み返しをする必要があったり、理解が途端に追い付かなくなったりしていたのが、違和感なくスムーズに理解できる様になるため、インプット時の効率が大きく向上するのです。
メリットその3【アウトプットの後は英語脳になるから】
経験された方はわかると思いますが、英会話スクールで、1レッスンの間、ずっとネイティブスピーカと話をするのって疲れますよね。これは普段使わない脳を使うからですが、逆にレッスンを通してあなたの脳では、日本語ベース→英語ベースと変化が起きています。普段のあなたの脳は、完全に日本語優勢になっていますが、英語で発言をし続けたレッスン完了直後においては、英語優勢に近い脳の状態になっているのです。
この状態で、インプットを行うとびっくりするくらい吸収が早いです。普段使っているリーディング教材やリスニング教材を、アウトプットの後に使ってみると、全く違う印象を受けると思います。この英語学習のゴールドタイムを作ることができるというのが、アウトプットの大きなメリットの1つなのです。
英語脳になるくらい英語を使うと、クタクタに疲れているケースも多いと思いますが、ここでもうひと踏ん張り頑張ることで、非常に効率の良いインプットを行う事ができ、しいては、英語力UPに繋がるのです。
まとめ
以上、アウトプットの3つのメリットについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。
本記事では、アウトプット=スピーキングのイメージで話を進めてきましたが、英語の日記やSNS発信等、ライティングによるアウトプットでも、程度の差こそあれ、同様の効果が得られると思います。スピーキングの場としては、オンライン英会話が圧倒的にオススメなのですが、この点については追って記事にしたいと思います。
本記事でも触れましたが、アウトプットのない英語学習には、リアルがありません。意図した内容を伝えられない悔しさや、上手くコミュニケーションが取れた時の喜びは、何事にも変えられない英語学習の原動力になるはずです。皆さんも是非、明日からの英語学習にアウトプットを取り入れて、モチベーションを維持しつつ、英語力UPを図ってくださいね。
以上お付き合い頂きありがとうございました。