英語の発音を勉強する4つのメリット【本当に大切】

英語の発音の勉強って、なかなかやる気が起きないですよね。発音の学習は不要、という話も聞きますが、実際はどうなのでしょうか。発音記号を一から勉強するのは、面倒くさいし、そもそも本当に必要なのか知りたい、という方も多いのではないでしょうか。

結論を先に言うと、発音の勉強は、超大切です発音の勉強をしないのなら、英語の学習を辞めた方が良い、というくらい重要です。発音の勉強自体は決して楽しいものではありませんが、そこを乗り越えたら、別の世界があなたを待っています

本記事では、発音を勉強する必要性と、発音を勉強する4つのメリットについて、紹介していきたいと思います。本記事を読んで、是非、発音学習のきっかけを作ってくださいね。

それでは早速、見ていきましょう。

発音の必要性【必要ないと言う人がいるのはなぜか】

英語の発音と聞いて、「L」と「R」の発音の違いを思い浮かべる人も多いと思いますが、1つ具体的なエピソードを紹介しますね。

Rubber(ゴム)とLover(愛人)

昔、海外顧客との会議の場で、日本エンジニアが、「ゴム(Rubber)を使って振動を抑制して…」という様な説明を一生懸命していたのですが、それを聞いていた海外顧客は終始はてな顔。途中で、先方の同僚に「さっきから愛人(Lover)って言ってるように聞こえるけど、どういう意味?」と聞く場面がありました。そりゃ、真面目な会議の場で、愛人なんて単語が出てきたら怪訝に思いますよね。質問された同僚が、「あ~、ゴム(Rubber)って言ってるのよ。日本人はRとLの発音を区別しないことがあるの」と、説明してくれたので、その場は事なきを得ました。

よく「文脈で分かる」という事も言われますが、上記の様に発音によって誤解を与える場面はいくらでもある、という事は心に留めておくべきですね(この例では、b音とv音の違いもあるので、先方は本当に混乱していたのだと思います)。

発音の学習が不要な人

世の中には、先天的に、超人的なリスニング能力および言語処理能力をもつ方がいらっしゃいます。彼らは、個々の発音や音の繋がり、音の変化等を正確に聴き取った上で、自身の中で体系化します。耳から聴き取った内容に基づいて、正しい発音を身に付けてしまうので、細かい発音の勉強は不要なのです。

中学・高校で特別に勉強した訳でもないのに、英語の評価が常にトップクラスだった、といったケースを除き、一般の方は、自然に発音が身に付く可能性は極めて低いので、発音の学習を行うことを強くオススメします。

発音の学習によって得られる4つのメリット

前段が長くなりましたが、発音学習によって得られるメリットについて、以下具体的に見ていきたいと思います。

メリットその1【英語学習が圧倒的に楽しくなる】

発音の勉強をすると、その後の英語学習が圧倒的に楽しくなります。これは、自分の発音に自信を持てるようになることに大きく関係しますが、1つの例として、英語でのコミュニケーションが楽しみになる、という例を挙げたいと思います。

英語学習において、「実践の場が大事」ということを、【英語学習】アウトプットの3つのメリット【やらないと損】でも説明しましたが、自分の発音に自信がない人は、英語でのコミュニケーションに、消極的になりがちです。「通じなかったらどうしよう」とか、「周りに変な発音だと思われたらどうしよう」等の、不安が先行し、会話を楽しめないケースが多いのです。きちんとした発音で、自信を持ってコミュニケーションすることで、英会話を純粋に楽しむことが出来るのです。

また普段の学習においては、例えば、英語の音読が楽しくなる、ということが挙げられます。ペラペラそれっぽく発音できているという認識が、英文音読という単純作業に、ちょっとしたワクワク感を与えてくれます。きちんと「L」や「R」等の音をキメつつ、自身の発音に酔いながら学習を進めることは、なかなか心地の良いものです。これは、シャドーイングや瞬間英作文等、音を発する学習すべてに当てはまるので、英語学習全般の楽しさが底上げされます。

メリットその2【リスニング能力が向上する】

冒頭のエピソードで「L」と「R」について取り上げましたが、例えば

light(光)とright(正しい)
lead(案内する)とread(読む)
long(長い)とwrong(誤った)

と言った単語の聞き分けが出来ないと、都度、文脈の中で意味を判断する必要が生じます。ただでさえ、リスニングの際は頭をフル回転させて、聴き取った内容から意味を読み取ろうと必死なのに、その上、「今のはreadかな?いやleadかもしれないな」なんて、考えていたら、英文のスピードについていけないですよね。

「L」と「R」だけでも大変なのに、「B」と「V」、「F」と「H」や「S」と「TH」の差、また母音の違いも含めると、日本語ベースでの聴き取りには限界があることを、分かって頂けると思います。これらの音の違いをきちんと学ぶことで、正しく聞き分けが出来るようになり、しいてはリスニング能力向上に繋がるのです。

メリットその3【単語のスペルが覚えやすくなる】

例えば、yesterday(昨日)という単語のスペルを覚えたいとします。日本語の発音だと「イエスタデイ」となるため、「r」が入るのか入らないのか、分からない為、スペルミスを誘発します。これを正しく「jéstɚdèɪ」と覚えている場合、スペルミスをしてしまう確率はずっと下がります

前章で挙げた子音の違いや、母音の違いを含めると、日本語ベースでの記憶では、負荷が非常に大きくなってしまうことが分かると思います。【超効率的】英単語の暗記方法【科学的方法】でも触れましたが、ノンネイティブの場合においても、1万語レベルの語彙は必要となりますから、上記発音の違いによって、トータルの語彙暗記の負荷に、圧倒的な差分が生じることは明らかです。

メリットその4【自分の言いたい事が正確に伝わる】

最後にして最大のメリットです。正しく発音する事によって、正しく伝わることの恩恵は、計り知れません。逆に、発音の勉強をきちんとしないと、「なぜ伝わらないのだろう?」ということが頻繁に起こることになります。

この「伝わらない」理由をわかり易く説明するために、1つ例を挙げますね。日本語の「ア」の音に対応する音として、英語には「ɑ」,「æ」,「ʌ」の3つの音が挙げられます。

top [tάp];トップ、頂上
tap [tˈæp]:軽くたたく
tup [tˈʌp]:雄羊

これらは、ネイティブからすると全く異なる音(日本語のアとイの違いのようなもの)なのですが、発音の違いを学ばないと、すべて「ア」の発音になってしまいます。日本語で置き換えるとすれば、下記のようなイメージです。

じめして、よろしくおねいしす。
じめして、よろしくおねいしす。

※母音「ア」を「イ」置き換えています

これだけなら、まだなんとか通じそうですが、実際には、他にも母音や子音の違いはたくさんありますし、更にイントネーションやアクセントの違いが加わることを考えると、「通じないかも」ということが、分かって頂けるのではないでしょうか。

良く「ジャパニーズEnglishでも通じれば問題ない」と主張される方がいらっしゃいますが、基本的には私もそう思っています。ノン・ネイティブである我々が、完璧な発音を身に付けることは、ほぼ不可能ですし、独特な発音やイントネーションこそが、自身のアイデンティティだ、と話をされる方もいるくらいです。

ただし、それも程度問題です。基本的な子音や母音の違いすら勉強せずに、相手にその理解を強いるのは、傲慢だと思いますし、なまりの強い英語を話していると、そもそも通じない、という事態に陥ります。「カッコいい」「カッコ悪い」の問題ではなく、実用面において、発音の勉強は、英語学習において必須項目なのです。

最後に

以上、発音学習の重要性について見てきましたが、いかがだったでしょうか。

英語初心者が乗り越えるべきは、「文法」と「発音」で、9割の方は、そもそも「発音」の勉強をしません「発音」の学習に要する時間は、英語全般の数%程度ですが、一方そこから得られるメリットは膨大です。

本記事をきっかけに、一人でも多くの方が発音の学習に取り組んで頂ければ、これに勝る喜びはありません。追って具体的な発音の学習方法についても纏めたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね。

以上お付き合い頂き、ありがとうございました。

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